乾燥パスタどれを買いますか?

パスタを購入する際「ブロンズダイス」とパッケージに書かれてあるものと、ないものがあります。その違いや、私の個人的な選び方について書いていきます。

ブロンズダイス、ブロンズ製法

ブロンズダイス、英語です。「青銅製の抜き型」という意味になります。

パスタ生地を円盤状の型に通して成形しますが、昔ながらのものがブロンズの型です。銅なので加工しやすいけれど、摩耗しやすく、長時間の使用に耐えられません。ざらざらした面をパスタ生地が通るので、強い圧力、摩擦が生じます。

我が家にある家庭用の型が下の写真ですが(家庭用のものは真鍮製。青銅より耐食性劣る)、冷たかったパスタ生地がホカホカに温まって出てきます。摩耗するのも納得です。

じゃない方、テフロンダイス

金型の加工技術が向上した後、ステンレスにテフロン加工された抜き型が出来ました。パスタのパッケージにわざわざ記載されない、テフロンダイスです。

皆さんご存じのツルツルのテフロン加工。こちらの型を通って出てくるパスタはブロンズより圧力、摩擦が少なく成形されます。

一番上に数種類のパスタを撮った写真を出しましたが、テフロンダイスのものは色が濃い2種、左上のペンネと右下のスパゲッティになります。他の白っぽいものはブロンズダイスです。

下の写真は家庭用のパスタ圧搾機です。型を通って出てきたスパゲッティが毛羽立ったようになっているのが分かるでしょうか?

ざらついた型を通って出てきたので、パスタもザラザラ、多孔質になるのがブロンズダイスの特徴です。

テフロンのものよりソースが絡みやすいのは、このためです。

ブロンズか?テフロンか?

値段の話

ブロンズの方がパスタに圧がかかるので、高品質のデュラムセモリナ粉でないと作れないそうです。(※テフロンのパスタが質の悪いセモリナ粉ばかり使っているという訳ではありません)

成形後のパスタを乾燥させて完成となるのですが、乾燥時間はブロンズが低温、テフロンが高温乾燥処理されます。

パスタの価格がブロンズの方が高いのは、以上に挙げたように、抜き型の耐用年数、(一般的に)セモリナ粉の質、製品完成までの時間が反映されているからです。

テフロンダイスで気を付けること

乾燥方法の話です。低温で外気と同じ位から50℃台。高温でも80℃以下が一般的なようですが、100℃を超える超高温乾燥で作ったパスタもあるそうです。

100℃前後の高温だと栄養面も損なわれますが、風味が飛んでしまいます。

過剰な高温はパスタの表面が変質し、ゼラチン化するそうです。

品質の悪い(グルテンが少ない)デュラムセモリナでもあっても、生煮えでもアルデンテのような食感が出るらしく、セモリナ粉の質を落としてもバレにくいそうです。

食べてみないと分かりませんが、安すぎるパスタはそれなりの理由があるからかもしれません。

合わせたいソース、欲しい食感で選んでます

色々書きましたが、私はブロンズもテフロンのパスタもどちらも使っています。

ソースの味がしっかり絡んで欲しいと思えばブロンズ、テフロンは食感がツルンとプリプリしているので、喉越しの良い食感が欲しければ後者をという感じです。

食にこだわるイタリア人はブロンズ一択というイメージで、私も昔はブロンズ派だったのですが、日本人なのでツルツル、シコシコ、喉越しって大切よねと、パスタでも改めて思うようになりました。

色々試して好みのものを探してもらえたらなぁと思います。